「バーチャルさんはみている」の良かったシーン10選
株式会社ドワンゴ、株式会社KADOKAWAら5社が設立したVTuber事業会社・株式会社リドの解散が公表されました。
株式会社リドは2018年12月18日、株式会社ドワンゴ、株式会社KADOKAWAや株式会社カラー、株式会社インクストゥエンター、アソビシステムホールディングス株式会社の5社による合弁会社として設立。同社が手掛けたバーチャルアニメとして、2019年1月から3月まで、VTuber出演アニメ「バーチャルさんはみている」が放送されました。
設立から約4ヶ月での解散発表となり、インターネットのごく一部では話題騒然。
大手企業の合弁会社がこのスピードで事業を畳むって、どんだけヤバい失敗したんだよという話です。
ここで問題になってくるのは株式会社リドが手掛けたVTube出演アニメ「バーチャルさんはみている」になります。
2019年冬クールに放送された同作品はアニメとしての完成度がお世辞にも良いとは言えない出来であり、放送時には「懲役24分」「お遊戯会」「頼むからアニメを見せてくれ」というネガティブな意見が多数を占めていました。
まぁこちらは所詮インターネットの意見なので真に受けない方がいいのですが、私も第一話を見た後は冷や汗が止まりませんでした。
そして同作品の放送終了後に制作会社のリドが解散。これはもう「バーチャルさんはみている」があまりにも駄作過ぎて会社が潰れたのではないか。
「バーチャルさんはみている」は、あまりにも酷い、つまらない、カス作品である。
こういった意見を、私はインターネットの片隅で何度か見ることがありました。
まて
まてまてまて
お前らはちゃんと見たのか?
「バーチャルさんはみている」を最後までちゃんと見たのか?
1話切りしておきながらバーチャルさんを叩いてないか?
ということで、このアニメを全話視聴した私が「バーチャルさんはみている」の良かったシーン10選を発表していきたいと思います。
ぶっちゃけ私もこのアニメが良い出来なんて言いませんが、あまりにもネガティブ意見が多すぎるので、逆に良かったシーンだけをランキング形式で発表していきます。
「確かに完成度は低かったけど、少しは良いところもあったよね」というスタンスで書きました。
選んだシーンは私の独断と偏見で決めましたし、内容にはネタバレがございます。
まだ見てないよーって人はこちらからどうぞ
以下、ランキングになります。
第10位
3話 お便りのコーナー(ラップ回)
メインキャラ6人が慣れないラップを披露する回です。特にラップを練習したことない素人が即興でラップを組み立て、そのグダグダ感を楽しもうという試みになります。
このアニメの不評な理由の一つにVTube達だけが盛り上がっている空気がひたすら素人臭くて怖いというものがあるのですが、3話のラップ回はそれを顕著に表した回と言えるでしょう。
この動画が電波に乗って全国に流れているという恐怖感と羞恥心で冷や汗が止まらなくなった視聴者も少なくないんじゃないだろうか。
しかし、6人全員のラップを流した後の電脳少女シロの台詞がこそポイントなのです。
電脳少女シロ「これがバーチャルユーチューバーなんだよな~」
すごくないですか?この圧倒的肯定力!
寒いのはわかってる。素人臭いのはわかってる。それでもこれがバーチャルユーチューバーなんだという一種の開き直りです。
ここまで言われたら視聴者も「そうゆうもんなんだな」と腹を括って楽しむことができます。
郷に入っては郷に従え、それはリアルでもバーチャルでも変わらないのです。
第3話にして初めてこのアニメの楽しみ方を教えてくれた電脳少女シロには頭が上がりませんね。
第9位
6話 富士アオイ公園(宇宙回)
富士葵とバーチャルゴリラが漫談をする定番コーナー。
今回は何故かアンニュイな表情の富士葵に対して、「ゴリラでよければ、話聞きますよ?」と笑顔で接するゴリラ。
自分のことを心配してくれたゴリラに富士葵は優しい微笑みを浮かべ、こう答える。
富士葵「ゴリちゃん、ありがと。葵ね、宇宙に行きたい。」
ゴリラ「アーーーーーーーイッ!!!!!」
そしてゴリラの発生させたサイコキネシスで二人がいる地面が宙を浮き、そのまま宇宙へと飛び立っていった………
この回はお世辞抜きで面白かった。
意味はよくわかんないけど。
第8位
7話 OP曲の変更
このアニメは前半と後半でOPの曲が変更するシステムで、ちょうど後期のOPが始まるのがこの7話になります。
1-6話までを担当したキズナアイさんの「AIAIAI」から、バーチャルさんメンバー6人が歌う「あいがたりない」にOPが差し替えになります。
………なるのですが、曲が変わるだけで映像は変わりません。
まったく同じOP映像で曲だけ変わります。
上手く説明するのが難しいんですが、同じOP映像で曲だけ違うと「変わってる!」っていう感動よりも「いつもと違う…」という違和感になってしまうんですよね。
そこで初めて自分自身がバーチャルさんのOPに微かな愛着があったことに気が付きました。
今まで馬鹿にしていたアニメでも、6回も見たらOPに愛着が沸くという発見ができ、その発見自体が面白かったのでランクインしました。
個人的に、キズナアイの抜けた後期OPのタイトルが「あいがたりない」なのも結構ツボにはまっています。足りないのは愛だけじゃないだろ。
第7位
1話~11話 EDのヒトガタ
HIMEHINAの歌うEDの「ヒトガタ」は曲もダンスも演出も大変素晴らしかったです。
私はこういう3Dモデルが踊っている動画にぞこまで明るくないのですが、EDのヒトガタについては結構しっかりしてて良作なのでは?と思ってます。
ニコニコ動画とかボーカロイド系っぽい曲もVTubeの二人とマッチしていますし、これはもうちょっと評価されてもいいのではないでしょうか。
もちろんOPEDだけ良作のアニメなんて、何の意味もないんですけど。
第6位
1話 うんちく横丁(チョコ回)
飲み屋に来た客にオーダーに合わせたうんちくを電脳少女シロが披露するコーナー。
客が「大将、○○のうんちく一本頂戴!」とオーダーして、電脳少女シロがうんちくをペラペラ喋るだけのコーナーの癖に、あまり捻らず全12話ずっと同じスタンスでやってきたという強みがあります。
語るうんちくの内容が違うだけなので、逆に一話ごとの印象が薄いコーナーなのですが、あえて一番良かった回を挙げるならば第1話のチョコ回を推します。
この「バーチャルさんはみている」というアニメの難解さに、停止ボタンを押すかどうかの瀬戸際である中盤で出てきたのがうんちく横丁。
ぶっちゃけチョコ回のうんちくが別段すごいことはないのですが、自分でもまだ理解できるユーモアが流れて安心したのです。
中盤で必ずうんちく横丁をすることが、視聴者の安心につながる。
全話視聴後に改めて考察すると、第1話のうんちく横丁はかなり良い仕事をしたのではないでしょうか。
縁の下の力持ち的な回だと、個人的には考えています。
第5位
9話 お便りのコーナー(一発芸回)
飲み会に使える一発芸を披露する回です。
「いろんな意味であの…大丈夫かわからないんですけど」と言いながら、月ノ美兎がFaceRigの2Dのモノマネを披露。
体を不自然にガクガクとカクつかせながら動き、動きがバグってる3Dアバターの動作を再現しました。
同じ3Dモデリングで飯を食ってるキャラが同業のミスを馬鹿にするという、それなりにロックな笑いを提供してくれた月ノ美兎はかなり凄いと思います。面白かった。
第4位
10話 てーへんだ!アカリちゃん(生徒会長回)
ミライアカリに悩みを相談するコーナー。10話は「生徒会長に必ず当選するには?」でした。
このお便りに対するミライアカリの回答は「自分の一人称を生徒会長に変えてしまうことで学校内の人間を洗脳しましょう」という内容だったのですが、そんなことはどうでもいいんです。
一番の問題は、お便りを持ってくる相方が田中ヒメから月ノ美兎に変わったことなんですよ!!!!!
今まで私は9回も田中ヒメの「来るのか……ケツのロンが!」を聞いてミライアカリの結論を聞いてきたんですよ!
それが何ですか10話から突然変更って!なんだか気持ち悪いじゃないですか!
せめて変わるならOPの変わった7話からでしょ!
しかもお便り担当が
1-9話 田中ヒメ
10.11話 月ノ美兎
12話 猫宮ひなた
って、なんでこんな中途半端なんだ!全部田中ヒメでいいだろ!ふざけるな!ケツのロンを返せ!
このように少し憤ってしまった自分自身が面白かったのでランクインしました。
もしかすると私はバーチャルさんがちょっと好きなのかもしれません。
第3位
12話 ケリンスレイヤー(最終回)
第1話からずっと話が連続しており、「バーチャルさんはみている」の中で唯一ストーリー性があるコーナー。
面白いかどうかは別として、連続した話のありがたみを実感させてくれたこのコーナーもラスト回です。
都会で落ちぶれて酒に溺れたケリンと戦うHIMEHINAの二人の前に現れたのは、なんと未来の月ノ美兎であるミートネーターでした。
ミートネーターはHIMEHINAと共にえるを召喚してケリンを昇天させた後、シャンパンタワーを作るために都会へと消えていきます。
まぁ話としては特に面白いわけではないのですが、ミートネーターとHIMEHINAのシャンパンコールで
ハイ!ハイ!ハイハイハイハイ!
バーチャルだらけのこの世では(huhu)
お前の愛ならリアルだし(huhu)
今からこの場で証明させますリアルマネーは嘘つかねぇ!
ぶちシャンドン一本入りまーーーす!(hu----------!!!)
というのを巻き舌気味で突然歌いだしたのでちょっと面白かったです。
最終話にポッと出てきたミートネーターが12話続いたケリンスレイヤーのオチを全部かっさらっていく理不尽さも感じるのですが、そこは「これがバーチャルユーチューバーなんだよな~」の精神で受け流します。
第2位
5話 VIRTUAL WARS(モノマネ回)
敵陣に潜入する方法を模索して、ゲーム部のメンバーがモノマネを披露する回。
この中で面白かったのは風見涼のモノマネです。
彼は他のVTubeのモノマネをいくつか披露し、モノマネの完成度の高さをゲーム部の皆に褒められます。
問題は、視聴者である私が元ネタのVTubeをあまり理解していないという点です。
ミライアカリ、猫宮ひなた、田中ヒメのモノマネまでは上記3人がこのアニメのメインキャストであることもあり、「バーチャルさんはみている」を5話まできちんと見ていれば何となく理解できるのですが、ピーナッツくんのモノマネは本気で元ネタがわからないので初見ではモノマネかどうかすらも判断できませんでした。(今の私は全話視聴後に改めて5話を確認したので理解しています)
ついでに言うならゲーム部の風見涼も当時はよく知らなかったので、知らないキャラが知らないキャラのモノマネをしている、中々稀有な光景でした。
しかもこいつらVTubeだから、存在すらもしないんですよね。知らないキャラが知らないキャラのモノマネを演じていて、しかもその両方が現実に存在しないというのは不思議な感覚です。
もう一人、道明寺晴翔がやった禁書目録の一方通行のモノマネも良作です。
「なンの用かな、木原君?」というアニメ禁書2期の一方通行のモノマネで、背景を炎が燃えている街中にしているところも細かくてグッド。(この台詞の時は猟犬部隊の車が周りで燃えているため、原作再現になっている)
2010年に放送していた禁書二期のモノマネを、2019年にVTubeが地上波でモノマネしているという事実がもう最高に面白かったです。
第1位
12話 ラストのあいがたりない
最終話のラストでは、メインメンバー6人が後期OPの「あいがたりない」を踊りながら歌ってくれます。
前述したとおり、どんなアホみたいなアニメでも1クール見たらちょっと愛着が沸いてしまいます。
なんやかんや言って6人が踊って歌う姿を見てると、「終わっちゃうのかー」というほほえましい気持ちになります。良い。
ですが、月ノ美兎だけ踊りにキレがありません。
モーションキャプチャーのデータが6人同じ場面でも、明らかに一人だけ挙動が怪しい女がいます。
恐らくですが、他の5人は踊ることを前提にモデルを作っているのですが、月ノ美兎のモデルは踊ることを想定していない作りになっているのではないでしょうか。
そもそも想定していた挙動の範囲を超えているため、滑らかな踊りを再現出来ておりません。全体的に動きが硬い。
第9話にてFaceRigの2Dを散々馬鹿にしていた月ノ美兎のモデルの挙動が悪いというのが因果応報っぽくて好きでした。
あと最終話もちゃんとOPがあったので、23分間に同じ曲を2コーラス聴かされたのも冷静に考えると意味不明で面白かったです。
こちらが独断と偏見にまみれた「バーチャルさんがみている」の良かったシーンランキングです。
私自身がVTubeに詳しくないので考察も浅い箇所だらけなのですが、楽しんでいただけましたでしょうか。
「バーチャルさんがみている」は確かに良作とはいいがたいアニメでした。しかし、愛を持って1クール見ればそれなりに楽しむことも可能です。
視聴のコツはスカして見ずにアニメと波長を合わせることです。拒否することは簡単ですが、理解に努めれば納得できる部分もあるかもしれません。
それでは
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