独身オタク6人でクリスマスのUSJに行った思い出

日本人はとにかくイベントが好きだ、という話を聞いたことがあります。
キリストの生誕を祝った一週間後に寺で鐘を打ち、年が明けたら神社でお参りするような忙しなさでイベントを消化していく様は陽キャの如し。


最近は決まった方角を向いて巻き寿司を食ったり、コスプレして軽トラをひっくり返すイベントなんかも定着し始めました
イベントの歴史を辿ると「……なんで祝ってるんだっけ?」となることも多いですが、楽しさ最優先で無問題なことになるのでしょう。

 

 

私も例に漏れずイベント事があるとソワソワしてしまうタチで、最近は祇園祭宵山の空気に当てられて年甲斐もなくソワソワしてしまいました。
雨に濡れるのが嫌なので行きませんでしたが…

 

 

ですが昨年のクリスマスは違いました。
2018年12月は平成最後のクリスマス、何かしら爪痕を残したいと思うのは当然です。普段のソワソワとは質が違います。
そんな私の静かな興奮に気がついていたかどうかは不明ですが、学生時代からの友人達からクリスマスに遊ばないかというお誘いを貰い、もちろん二つ返事でオッケーを出しました。
今回はその時の思い出を書きます。

 

 

日付:2018年12月24日
場所:ユニバーサルスタジオジャパン
メンバー:アラサー独身オタク6人
目的:カップルと親子連れが楽しんでいる空気を吸う

 

f:id:KAI777:20190724234114j:plain

 

集合時間

 

クリスマスのUSJへ向かうにあたり、最初の問題点は集合時間でした。
なにしろクリスマスのテーマパークに行った経験のある奴がメンバーに1人もいなかったので、当日の込み具合や入場すべきタイミングが全く分からないのです。6人いることによる知識の厚みがゼロ。


メンバーの1人が「ワイらはスイミーや」みたいなことを言っていましたが、オタクは全員黒い服を好むのでスイミー作戦は向かないと思う。
結局、朝に別の用事があるメンバーの時間に合わせて午前11時集合となりました。

 

 

スケジュール
①オタクA-Eが11時に現地集合
②チケットを購入
③用事を済ませたオタクFと合流し入場

 

 


現地集合
ついに当日、クリスマス。
女にモテない独身男達のグループチャットも朝から温まっていきます。

f:id:KAI777:20190720164517j:plain

現地に着く前からクリスマスを満喫し始めた頼りになる友人の報告を眺めながら、私も電車に揺られて現地に向かいます。

 

 

 

現地集合するまでの流れはこんな感じです。

f:id:KAI777:20190720164640j:plain

f:id:KAI777:20190720164708j:plain

 

当日集合時間
オタクA:11時20分に地球儀前集合
オタクB:11時20分に地球儀前集合
オタクC:11時20分に地球儀前集合
オタクD:10時過ぎに現地到着後1人で入場、11時30分に地球儀前集合
オタクE:10時50分に地球儀前集合(その後は家族写真の撮影)
オタクF:用事があったので11時30分に地球儀前集合

 


メンバー6人中3人が遅刻、1人は先に入場して遅刻という結果です。11時に間に合ったのは実質1人だけ。
1人だけ時間通り集合した真面目君は親子連れに写真撮影をお願いされてブルーになっており、正直者がバカを見るという人生の不条理を体験していました。
ちなみに私は遅刻組です。予定より2本ぐらい遅い電車に乗っていたら、同じく遅刻したオタク2人と駅で合流したので笑っちゃいました。

 

f:id:KAI777:20190720165115j:plain

 

 

俺達はモテないから彼女がいないのではなく、社会不適合者だから彼女がいないのでは?という疑問が生まれます。

 

 


入場
集合に時間がかかりましたが何とか入場です。
ゲートを潜るとテーマパーク特有の陽気で肌がピリピリします。クリスマスというのもあり、普段以上に会場内が浮かれた空気で満たされています。
根っから陰気な私達は「道の真ん中歩くな!リア充様の邪魔になるだろ!」とか言いながら道の隅っこを移動する遊びに興じました。

 

 

そんな私達が一番最初に乗り込んだアトラクションはもちろん喫煙所
USJの比較的隅っこの方に位置する喫煙スペースで一服しました。
電車乗った後、ゲート前でうだうだしてて吸えなかったからね!仕方ないね!
微量のニコチンが無いとUSJの陽気に負けてしまいそうだったのもあります。

 

 

男たちが一服した後、次に移動したのはもちろん便所
各々の体重を軽くして準備を整えます。
電車乗った後、ゲート前でうだうだしててお手洗い行けなかったかったからね!仕方ないね!

 

 

心身共に整った私達が向かった先は、もちろん喫煙所
言い訳とかではないんですけど、クリスマスのUSJで一番落ち着くスポットって喫煙所なんですよ。
クリスマスで会場中の人たちが浮かれている中、ここだけは空気が澱んでいるから。
たった一つでも知ってる場所があるって安心するんです。

 

 

こんな流れで入場してからの30分を喫煙所→便所→喫煙所で過ごすことになりましたが、逆にいつも通り過ぎて自分たちのペースを掴むことができました。
ペーパーテストの対策などで「あえて開始の合図にテスト用紙を裏返さず、いったん深呼吸してからゆっくり裏返して解き始めることで緊張をほぐす」というテクニックがありますが、今回の初動30分はこれの応用に当たります。
うそ、本当は煙草吸いたかっただけ。

 

 

 

アトラクション
流石にクリスマスのデートスポットだけあって客が多かったのですが、2時間待ちなどの大行列を避けて回ったので6時間で5-6個ほどアトラクションに乗れました。
昼食と煙草休憩に2時間ぐらい消費したと思うので、実質4時間でこれだけ回れたのはかなり効率的だったのではないでしょうか。

 


効率化のコツはシングルライダー列に並ぶこと。
クリスマスは特にカップルとか家族連れが多いですからね。相対的にシングルライダー客が減るんですよ。
野郎だらけでクリスマスのテーマパークに行く時の必勝法です。使えそうなら誰か上手く活用してください。

 


特に記憶に残ったアトラクションはジュラシックパークでしょうか。
冬の水系アトラクションはやばいですね、濡れてめっちゃ寒い。
私達6人が全員シングルライダーで乗っていたこともあり、強制的に4人列の端っこ側に座ることになるので被る水量が多くなりました。


私の着ていたコートは比較的水分を弾いてくれたので助かりましたが、水がしみ込んだ友人達はかなり寒そうでした。
ここだけの話、冬にシャツ一枚でアトラクションを楽しむ女子学生達の横で寒がってるアラサーオタク集団は少し恰好悪かったです。若さが足りない。

 

 

ジュラシックパークの後は暖を取るためにバックドラフトに行きました。あったかいアトラクションは冬向きでいいですね。

 

 


ハリーポッター
実は私、ハリーポッターは原作読んでたので結構好きだったんですよ。
だからUSJハリーポッターのコーナーができた時は結構興奮してて、いつか行きたいなーって思ってたんです。一緒に行く相手がいなくてずっと行けなかったんですけど。
開園した2014年からずっと行きたいのに今回の件まで体が動かなかったのは完全に陰キャの性です。


でもそれだけ陰にとってUSJの敷居は高いんだってことを感じて欲しい。
陽キャがお土産で買ってきた百味ビーンズのゲロ味や鼻クソ味を食べさせられることでしかUSJと関われなかった辛い過去。

 

f:id:KAI777:20190720170626j:plain

本物みたいで感動した


ハリーポッターのエリアは本当に素晴らしく、まるで映画の世界が現実になったかのような幻想的体験でした。(それがUSJのコンセプトなんだけれども)
特にバタービールはいい塩梅に原作再現した味でテンション上がっちゃいましたね。これを4年間ずっと飲みたかったんだよ。
本当は杖とかローブとか衝動買いしそうになったんですが、私を冷静にさせる金額だったので止めときました。

 


唯一の不満点と言えば友人です。
私がハリポタのショーを背伸びしながら観ている様子をニヤニヤ笑いながら観察しているので邪魔でした。
もっとハリポタに真剣になれよ!そんな斜に構えたポーズ取ってるから彼女ができないんだ!

って言おうとしたけどブーメランになりそうだからやめました。

 

 


ターキーレッグ
テーマパーク内の食事というのは基本的に割高で味もイマイチという印象がありますが、ターキーレッグは大人になってもテンションが上がりますよね。
外気に晒されながら骨付きチキンを齧りつく行為は非日常的で、コスパとか関係なくUSJを楽しめる魅惑の食べ物だと思います。

 

ここでカップルなんかは一本のターキーレッグを二人で分け合ってイチャイチャするのかもしれませんが、私達はもちろん一人一本買いました。分け合える相手がいないから。

 

 

ターキーレッグは会場内を歩きながら食べるのが“通”というものなのかもしれませんが、私たちはアトラクションに疲れてしまい、どこか休憩できるところを探していました。

もちろん脳味噌がヤニで汚れている私の友人達は即座に「タバコ吸おーや」の一言で喫煙所に向かっていきます。

喫煙所前には大きなゴミ箱があり、骨などを捨てるのにも丁度いいのでゴミ箱前に集まってターキーレッグを食します

 

 

ターキーレッグ自体は数年ぶりに食べたので本当に美味しかったのですが、私の横で食べていた友人が「ウマッ!これウマッ!!完全にクリスマスやん!!!」と呟きながら食べてたのが気になって仕方がありませんでした。

喫煙所前のゴミ箱で骨付き肉に齧りつく姿がセリフと合わさって、クリスマスを知らないスラム街の子供かな?って誤解しそうになります。

心から旨そうに食ってる人間を見ると心が豊かになりますよね。

 

 

クリスマスのショー

ユニバーサルスタジオジャパンではクリスマスの時期になるとショーやパレードみたいなやつを夜にやるそうで、2018年もユニバーサル・ワンダー・クリスマスという催しをやっていました。

 

特にこの年は「天使のくれた奇跡」というクリスマスショーのグランドフィナーレだったそうで、クリスマスに来場したお客さん達はこれを楽しみして来たといっても過言ではないそうです。

ショーのラストにクリスマスツリーが点灯して、そこから花火が上がるという流れでテンションMAXという流れ。

 

 

 

 

なのですが、私を含む独身オタク連中はクリスマスショーなんか全く興味がありません。
喫煙所で煙草吸ってたら会場内の人が一点に集まっていく様子が見え、そこでようやく気がついたレベルです。
平成最後のクリスマスだったあの日の会場内で、ショーとツリーに興味なかった人間って何人いたのかな。

 

 

ショーには興味が無く、日も落ちて寒くなり、慣れない場所に来てしまった疲労感も限界が来たため、ショーが始まったタイミングで帰宅することを選択。
喫煙所から抜けて帰路につくと、ショーが佳境に入ったところ(よく見てなかったので想像です)で花火が大量に上がり、花火の光で照らされた観客の顔を眺めることができました。
人間が一杯いて、それをたくさん眺められたのが面白かったです。

 

 

会場中の人達がショーの方向を眺める中、その反対方向に向かって進む男六人。背中で花火の音を聴きながら歩いていくシーンは感動的で、俺達こそが映画の主人公だって感じがありました。
ユニバの中で一番GetWildが似合ってたと自負しています。

 

f:id:KAI777:20190724002054j:plain

帰り道に見えたクリスマスツリー



以上でクリスマスの思い出はおしまいです。
会場を出た後はもちろん喫煙所に直行し、壁のある暖かい喫煙スペースと130円で買えるホットコーヒーに感動しました。
先ほどターキーレッグを嬉しそうに頬張っていたオタクも、缶コーヒーを指でプラプラさせながら「これが今日で一番旨いわ!」とか言ってました。スラム街みたいだったあの頃に戻ってくれ。

 

 

 

あれから7か月後、クリスマスにUSJで得た経験などは全く生かされず、私には彼女ができません。
ですがあの日のクリスマスも決して悪い物ではありませんでした。
当たり前ですが、仲の良い男友達と遊びに行けばどこに行っても楽しいですよね。
男同士でスイーツバイキングに来るグループとか、タピオカ飲んでるオッサングループとか。
最近は特にそういう見えない陽キャの壁みたいなものが弱くなってきて、女同士かカップルじゃないと行き辛い場所も行きやすくなったような気がします。

 

 

これを読んだ皆さまも、普段は行けないような場所に男友達を誘ってみては如何でしょうか。

意外と楽しめるかもしれませんよ。

怖かったら煙草とワンカップ大関を手に持って挑みましょう。

結局はニコチンとアルコールが一番強いんですから。