なぜ半チャーハン2人前はチャーハン単品に劣るのか

衝動的にチャーハンが食べたくなったので、職場近所のラーメン屋に入店。

 

 

その日の気分は中華料理屋でメイン料理を張るようなチャーハンではなく、ラーメン屋で食べるサイドメニューとしての食べたかったのです。
ラーメンの濃いスープを飲む合間に、同じく味の濃いチャーハンをほおばる。なんて素敵な組み合わせなのでしょうか。
午前中3時間の業務をラーメン&チャーハンの妄想で潰した私は意気揚々と店の席に座りました。

 

 

 

実はこの店には以前も入ったことがあります。
ここはラーメン単品で行くと65点ぐらいなのですが、サイドのチャーハンと同時に食うと90点台に近づく異端の店。
まさに今、もっとも私の欲を満たしてくれるラーメン屋と言えるでしょう。

 


注文はラーメン(並)とチャーハン。僅か10秒で決定。
お冷とお絞りを持って来てくれた大学生風の店員さんに、上記の注文を伝えます。
すると、店員さんから予想外の返答がやってきました。

 

 


「単品よりも半チャーハン2つの方がお得ですよ!」

 

 


ほう?半チャーハン2つ?
何やら聞き慣れないアドバイスを聞いたぞ?

 

どうやら昼間は限定ランチメニューを出しており、その中に半チャーハンがあるとのこと。
ランチの半チャーハンは大変お得なので、二つ頼んでも単品のチャーハンより安いとのこと。
安くでいっぱい食べられて、大変お得とのこと。

 

なるほど、確かに店員さんの話には筋が通っています。
特におかしなところはなかったので、「じゃあそれでお願いします」と注文確定。

 

 


数分後、私の前には半チャーハン2つが並びました。

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なにこれ恥ずかしい!!!!


小さい半チャーハンが2つ並んでるの恥ずかしい!パッと見で意図がわからないのが怖い!半チャーハンに過剰な愛を注ぎそうな異常者臭がする!映画に出てくる犯罪者が殺しの仕事の前に必ず行う願掛けみたいな「触れちゃいけない感」がある!

 

 

驚き慄いていると、その後ラーメンもすぐに到着。
とりあえず揃ったので食べ始めてみると、また1つ違和感が発生します。

 

 

半チャーハンがあまり美味しくない。

 

 

決して不味いわけではないが、前回食べた単品のチャーハンの方が間違いなく美味しいのです。
味に大きな変化も感じないのですが、明らかにチャーハンとしてのポテンシャルが落ちています。
仮に単品チャーハンのパワーを100とするならば、半チャーハン2人前は48×2ぐらいのパワーになっているのです。
……チャーハンを数字に例えたことが無いからめちゃくちゃ伝え辛いなこれ。

 

 

 


「人間の魂の重さは21グラムである」という説をご存知でしょうか。
ダンカン・マクドゥーガルというアメリカの偉い医者が提唱した説であり、なんでも「人間が死ぬ前と死んだ後で体重測定実験したら、前後で重量の喪失があった!だから人間の魂は21グラム!」みたいな話らしいです。
実際のところは測定がずさんだったり調べた数が少なかったりで、あんまり信用されていない眉唾論らしいですが。(私は賢くないし医者でもないのでよくわからない)

 


人間の魂に重さがあるのかはわかりません。
ですが、チャーハンには魂があると、私は今回の件で確信しました。

 

 

単品チャーハンと半チャーハン2人前の差、それは魂です。
どれだけ味と量が同じでも、単品と半分こでは自分がチャーハンであるという誇りに差が出てきますし、こういう気持ちの入ってない部分って人に伝わるものなんですよ。
「俺がチャーハンだ!」というビシッとした気合は、残念ながら半チャーハン達には感じられませんでした。

 


半チャーハンなんて言って軽々しく量を減らしますが、その為に減らした物はチャーハン半分だけなのでしょうか。
もっと大切な魂-モノ-を減らしてしまったのではないでしょうか。
そんな考えに耽りながら、私はバラバラに引き裂かれたチャーハンを頬張りました。

 

 

 

 


食べ終わった私は会計に行きました。
するとレジのおばちゃんが私の伝票を見て怪訝な顔をしながらメニューを復唱します。

 

「ラーメンを1つと半チャーハン……………2つ?」


なんでそっちも不思議がってんだよ。

 

 

注文を取った大学生風な店員さんが呼び出され、注文の確認が行われました。
どうやら半チャーハン2人前はこのお店でも異端の技らしく、定員さんがアドリブで私にアドバイスしてくれたようです。

 

 

 

私の負けかな、この件は。